大判例

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東京地方裁判所 昭和39年(ワ)10921号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕二、被告等の責任

被告河が砂利運搬を業とし、本件事故当時被告車を右業務のため使用していたものであることは、当事者間に争いがない。原告等は、被告丁が被告車の保有者であるから同被告もまた被告河とともに自動車を自己のために運行の用に供する者として自賠法第三条の責任を負担すべきであると主張するので以下この点について考察する。<証拠>によると、被告丁が本件被告車の使用者として登録されていること及び強制保険も被告丁名義によつて締結されていることを認めることができる。したがつてその限りにおいて被告丁が被告車の保有者であるような観を呈しているけれども、一方<証拠>によると、被告河は、被告車を訴外日野ヂーゼル株式会社から購入するに際し、自己に資力と信用がなくかつまた銀行との当座取引もないところから自己名義では買受けることができないので、妻の父である被告丁の承諾のもとに、同被告の当座を利用しその名義で被告車を買受けるに至つたものであること、割賦代金の内当初四回分位は、事実上被告河が払い込み、被告丁が当座取引を停止されるに及び、訴外会社と被告河との間で、被告河が直接訴外会社に割賦代金を支払うべき旨の契約が成立し、右約定に従い同被告が代金の支払をなしていること及び被告車は専ら同被告の前記事業に使用されていたものであることを認めることができ、この認定に反する証拠はない。そうしてみると右のような形式で被告丁が被告河の事業に援助を与えている以上何らかの意味において被告車の運行による利益を享受し、且或程度の被告車の運行に対する支配を有していたものと推認し得ないでもないが、自賠法第三条の責任主体として同条に定める責任を負担するに足りるだけの運行利益ないし運行支配を有していたものとは速断し難く、外に被告丁が被告車を直接又は間接に自己のために運行の用に供していた事実は、これを認めるに足りる証拠がない。また訴外棚沢が本件事故当時被告河の指揮監督に服していた事実もこれを認めるに足りる証拠はないから、民法第七一五条を適用する余地もないといわなければならない。(茅沼英一)

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